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「題詠マラソン」2003観戦記&2004拾い読み
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DKLog.JP::Diaryあしあと

■ 2004/07/24 マラソン2004 【ログ49&50より】
■ 2004/07/20 マラソン2004 【ログ47&48より】
■ 2004/07/19 マラソン2004 【ログ46より】
■ 2004/07/19 マラソン2004 【ログ44&45より】

マラソン2004 【ログ49&50より】
ぞんぶんに油たたへてゐるのだろ父の愛したコンビナートは  (095:油) 櫂未知子

父とは、作中主体の父であるとともに、
高度経済成長を支えてきた男の象徴でもあるのだろう。


オルゴール館館長が贈られし緋色の鍵についての話  (014:オルゴール)  石川美南

石川さんは、「話」で終わる歌を何首か連続で投稿されていて
どれも話を聞いてみたくなりました。そのなかでも、特に
この歌のオルゴール館館長の物語を連作で読んでみたいです。


ピン全て叩き折られたオルゴールみたいだ 心のこのたいらさは  (014:オルゴール) 夏己はづき

あまりのショックに感受性というものを奪われてしまって心がからっぽになった状態を、
前半の比喩と心の平らさという表現で巧く詠んだ1首ですね。1字空けは不要では。


理想論を嘲る父に親指を突き入れられて剥かるる蜜柑  (015:蜜柑) 常盤義昌

理想論を語っているのは、息子である作中主体。父親に乱暴に剥かれている蜜柑が、
まるで自分自身のように思えて、もうこれ以上議論する気持ちも失せて、
無言のままその蜜柑を見つめているだけなのでしょう。




2004/07/24 (SAT)
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マラソン2004 【ログ47&48より】
昨夜叱りすぎた報いかふつふつと舌にからまるチーズトースト  (010:チーズ) 青山みのり

「ふつふつと」という擬態語が最良なのかは
やや疑問ですけれど、こういう感覚はわかります。


数学のテストを燃やすついでにと花火に誘う夏の始まり  (007:数学) 渡辺百絵

夏の始まりであり、恋の始まりとなるのかもしれないのですね。
いつもはちょっと突っ張っているような男の子が
照れながらこんなふうに女の子に告白するのっていいな、
と思ったら作者は女性でしたね。誘われる歌にしてもよかったかも。
最後を「夏の始まり」と無難にまとめてしまったのが残念。


綿雲の犬のかたちはわずかづつ神に召さるるごとく透けおり  (011:犬) 青山みのり

次第に透けていく(形も変えていくのかな)犬の形をした綿雲を
「神に召さるるごとく」と表現したのがいいですね。「づつ」は「ずつ」か。


ひらがなで書かれた名前ころころと一年一組三十五名  (005:名前) 林 ゆみ

歌からはどういった場面なのか具体的なことは全くわからないですけど、僕は
教室に掲示されている生徒の絵を授業参観のときに見ている場面をイメージしました。
その絵に添えられている自筆の署名。小学一年生がひらがなで一生懸命に書いた
自分の名前が勢揃いしているようすは、まさに「ころころ」といった感じでしょうね。


給食のジャムやチーズを溜め込んで彼は宣戦布告したのだ  (010:チーズ) 多喜エリ

そういえば、マーガリンを机の中に溜め込んでいて、
教科書やノートがベトベトになっている子がいました(笑)。
この歌は、いじめられっ子の宣戦布告でしょうか。
ジャムはともかく、チーズはどう使うのかな。とにかく頑張れ!

2004/07/20 (TUE)
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マラソン2004 【ログ46より】
サンダルの×がついててこの夏を否定しようとしている裸足  (012:裸足) 伊勢谷小枝子

ログ44からピックアップした村本希理子さんの「ねずみ花火」の歌と
同じような < ひと夏の恋 > を詠んだ歌と解釈しました。
自分はまだ否定したくないけれど、夏の日射しが彼女の足に
残酷なまでにくっきりと恋の終わりを刻みこんでいるんですね。
日焼け跡が消える頃には、新しい恋が始まっているかもしれません(笑)。


春、おんなやわくしなえり霧雨が桜の色に染まりゆくころ  (050:おんな) 鈴木貴彰

なんとも艶っぽい歌ですね。


もう誰もにくみたくない丹念に海老の背わたを取る あかね雲  (072:海老) sei

女性は誰しも、晩ご飯の支度をしながら、その日一日に
あったことをいろいろと反芻しているんでしょうね。
最後の「あかね雲」は蛇足では。3句を工夫して、
下の句を「海老の背わたをたんねんに取る」にする
などして、ビシッと締めてほしかったです。

2004/07/19 (MON)
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マラソン2004 【ログ44&45より】
奔放と思ふ間もなくしづまれるねずみ花火をバケツに漬ける  (040:ねずみ) 村本希理子

ねずみ花火は、ひと夏の恋を象徴しているのでしょうね。
大人の恋を連想させる線香花火とは対極のものを感じました。
水に浸けたとき、「ジュッ」と音がするはずはないんだけど、
なんだかその音が聞こえてきそうな1首です。


負はされし痛みの上に降る雨を土地はしづかに待ちつつあらむ  (006:土) 杉田加代子

『土地よ、痛みを負え』という岡井隆さんの歌集のタイトルや
山中智恵子さんの「行きて負ふかなしみぞここ鳥髪に雪降るさらば明日も降りなむ」  
という歌を思い浮かべました。大地が待ち望んでいるこの雨は、癒しの雨ですね。
その大地を今日も僕たちは踏みつけているわけです。


公安とわれとの淡き関わりの運転免許証 冬生まれ  (017:免許) 吉野亜矢

最後の「冬生まれ」が利いていますね。


芝を焼くときは険しき顔をせりわれを叱らぬわが姑は  (026:芝) 水須ゆき子

ちょっと怖い歌ですね。嫁と姑という関係っていろいろあるんでしょうね。
というか、嫁姑にかかわらず人間関係ってそういうものなんでしょうね。
ビリー・ジョエルの「ストレンジャー」がBGMで流れてきました。

2004/07/19 (MON)
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Writer: 伊波虎英(旧・神崎ハルミ)