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「題詠マラソン」2003観戦記&2004拾い読み
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DKLog.JP::Diaryあしあと

■ 2003/09/30 長谷川と茂古さん
■ 2003/09/29 沼谷香澄さん
■ 2003/09/28 村田馨さん
■ 2003/09/27 村上きわみさん
■ 2003/09/26 五十嵐仁美さん
■ 2003/09/25 生奈旻士さん
■ 2003/09/24 星川郁乃さん
■ 2003/09/23 笹田かなえさん
■ 2003/09/22 佐原みつるさん
■ 2003/09/21 よしだかよさん
■ 2003/09/20 珠さん
■ 2003/09/19 梨乃礫さん
■ 2003/09/18 林口僥子さん
■ 2003/09/17 久哲さん
■ 2003/09/16 岡村知昭さん
■ 2003/09/15 コメットさん
■ 2003/09/14 寒雨さん
■ 2003/09/13 萩原留衣さん
■ 2003/09/12 岩崎一恵さん
■ 2003/09/11 丸山進さん
■ 2003/09/10 高澤志帆さん
■ 2003/09/09 芦田美香さん
■ 2003/09/08 大石俊弘さん
■ 2003/09/07 キタダヒロヒコさん
■ 2003/09/06 高見里香さん
■ 2003/09/05 大野景子さん
■ 2003/09/04 みうらしんじさん
■ 2003/09/03 浦奈保美さん
■ 2003/09/02 AQさん
■ 2003/09/01 久慈八幡さん

長谷川と茂古さん
81番目に完走された長谷川と茂古さんの100首より。

妻といふ邪まなもの側に置きこころ深しよ夫なる者は (026:妻)

五千年前の男の死を抱きゆるゆると流れたる氷河は (048:死)

夏が連れ去りし蜻蛉の羽根ひとつ郵便受けの上に置かれて (055:置く)

黒煙立ちこめる戦場に光 JAPAN ATM営業中 (065:光)

偽りの生とは云へどぬばたまの髪を伸ばせる人形がをり (092:人形)  長谷川と茂古


(12月2日選)




2003/09/30 (TUE)
▲Top

沼谷香澄さん
80番目に完走された沼谷香澄さんの100首より。

荒地にはこわれた愛が生えているメマツヨイグサコマツヨイグサ  (013:愛)

かんじたことをすなおにことばにすることで詩などけっしてかけないのです (023:詩)

鷺草を匿うのです沙漠です咲いちゃダメだと言い含めます (025:匿う)

アンコールワットに残る恥 ならば芭蕉の表三句はなんだ! (030:表)

一寸の虫に殺虫剤をかけ五分の魂が抜けるのを待つ (071:待つ)  沼谷香澄


(12月2日選)

2003/09/29 (MON)
▲Top

村田馨さん
79番目に完走された村田馨さんの100首より。

ふとってもやせても何か足りなくて誰かに頼り生きてきました (007:ふと)

愛媛産温州蜜柑の段ボール箱がそっぽを向いて転がる (013:愛)

明日がある明日を求める今日がある筋肉ははや贅肉と化す (038:明日)

冷蔵庫の隅の翳りは広がりてサナトリウムと化する夕べか (052:冷蔵庫)

眼薬をさせば視界が晴れてくる織り込み済みの未来だけれど (079:眼薬)  村田馨


(12月2日選)

2003/09/28 (SUN)
▲Top

村上きわみさん
78番目に完走された村上きわみさんの100首より。

音叉から音叉にわたすささやかな震えが今のぼくらのすべて (005:音)

みなさん鋏は足りていますか電球はイルカは大天使はどうですか (008:足りる)

錆びながら光をはじくむらぎものさみしいひとよ雨の広場へ (041:場)

やがて来る終焉のため少しだけ開かれているあなたのまぶた (089:開く)

かさかさと音たててゆく あかねさすコンビニエンス・ストアはすぐそこ (099:かさかさ)  村上きわみ


(11月29日選)

2003/09/27 (SAT)
▲Top

五十嵐仁美さん
77番目に完走された五十嵐仁美さんの100首より。

お刺身用蒟蒻ひらひらさせながらコイデモシタイと言いそうになる (019:蒟蒻)

道端に枝を広げる白樺が表札がわりというのが理想 (030:表)

しあわせも不しあわせも中ぐらい止まったままのブランコのよう (033:中ぐらい)

子が忘れて行きし時計のアラームが午後のリビング歪(ひず)ませている (094:時)

つまらない今日を洗い流すための石鹸100円ショップで購いぬ (096:石鹸)  五十嵐仁美


(11月29日選)

2003/09/26 (FRI)
▲Top

生奈旻士さん
76番目に完走された生奈旻士さんの100首より。

突き破れど突き破れども同じ壁《 突破 》の掛け声《 切羽 》に変わり (012:突破)

戦争は枝葉にすぎぬといわれてもこんなに茂れば幹も霞んで (015:葉)

欠伸する小猫に昨日も明日もない今日すらもないただこのふぁわぁ (038:明日)

古女房やっぱお前を愛してる「好き」より「嫌い」が多いにしても (049:嫌い)

ダム満ちるまでに紆余ありこの冬も沈むを拒む大椿燃ゆ (095:満ちる)  生奈旻士


(11月29日選)

2003/09/25 (THU)
▲Top

星川郁乃さん
75番目に完走された星川郁乃さんの100首より。

ぬかるみも路地も匂いもない街ができたよイオンショッピングセンター (011:イオン)

あのひとを匿うためにこっそりとまだ空けてあるわたしのどこか (025:匿う)

明日届くはずの手紙を眠らせて赤いポストはひんやりと立つ (038:明日)

「僕らは」と複数形で語られてかぼそいラの音にされてしまった (066:僕)

付箋紙が日々増えてゆく積み上げた資料のなかにあなたはいない (073:資)  星川郁乃


(11月29日選)

2003/09/24 (WED)
▲Top

笹田かなえさん
74番目に完走された笹田かなえさんの100首より。

海女の血を引いているかも知れないな雨の底からくらくら戻る (063:海女)

そこら中殺虫剤をまきちらし待つことにする明けない夜明け (078:殺)

まだ何を織るか決めてもいないのに縦糸だけはどうしても黒 (080:織る)

予言者の乗っていそうな朝のバス夜の電車の窓の顔、顔 (083:予言)

遠去かるテールランプは一筋の傷あとに似るなまぬるい夜 (098:傷)  笹田かなえ


(11月27日選歌)

2003/09/23 (TUE)
▲Top

佐原みつるさん
73番目に完走された佐原みつるさんの100首より。

半分は猫の目をして見ていたらこころの遠くなるのがわかる (031:猫)

木曜の移動図書館だれの手も触れさせないため走りつづける (040:走る)

晴れた日の洗車場からあふれだす困るくらいにとりどりの色 (041:場)

カブトムシてかてかの背に飛び乗れば世界はひかりかがやいている (076:てかてか)

眼薬を点すときだけは丁寧な世界の在り処を知らぬ指先 (079:眼薬)  佐原みつる


(11月27日選歌)

2003/09/22 (MON)
▲Top

よしだかよさん
72番目に完走されたよしだかよさんの100首より。

永遠に魚なのです半分は後生ですから脱がさないでね (006:脱ぐ)

僕たちは突破するのに必要な速度をきょうも計算してる (012:突破)

後朝の朝定食は火の色す君の紅じゃけわれも紅じゃけ (016:紅)

谷川の詩集を破く指先をわたしは見てた 光がきれい (023:詩)


    スキ
   嫌いすき 
   きらいスキ 
    キライ
    好き

結果の決まった花で占う (049:嫌い)  よしだかよ


(11月26日選)

2003/09/21 (SUN)
▲Top

珠さん
71番目に完走された珠さんの100首より。

ぽんかんを剥いてほおばるこの居間に骸投げ込むテレビという窓 (021:窓)

きらきらと形容したくなる瞳片目は弾のかけらに失う (024:きらきら)

人を愛し平和を愛する遺伝子は劣性なのか人は争う (036:遺伝)

ケネディのコイン ベトナム戦争の影も宿さず銀色に光る (069:コイン)

戦争のことなど短歌に詠み継いで何になるかと笑えば苦い (100:短歌)  珠


(11月26日選)

2003/09/20 (SAT)
▲Top

梨乃礫さん
70番目に完走された梨乃礫さんの100首より。

欠けているものを数えて口づけた服を脱ぐよりさらけあった夜 (006:脱ぐ)

旧友の名前は思い出せなくてイオン記号は完璧な僕 (011:イオン) 

小さくて飛べない羽根です裸です 私はだぁれ 泣けないキューピー (18:泣く) 

犬のよに信じてみたい今日からは渋谷の駅で君を待ちます (035:駅)  

忘れるな二頭の象が死んだこと芸をしたこと人がしたこと (088:象)  梨乃礫 


(11月26日選)

2003/09/19 (FRI)
▲Top

林口僥子さん
69番目に完走された林口僥子さんの100首より。

氷上を滑りはじめし子のやうにつくばひに鵯(ひよ)の羽毛が浮けり (010:浮く)

水といふ元素記号の腕の数 前の二人の腕からみをり (022:素)

ぬくもりの残れる席に拒むやうに溶けこむやうにわれのぬくもり (072:席)

横綱の背なのすなつぶ見届けぬ眼薬一滴海になる目に (079:眼薬)

目と目があひあらと発してあらと返る朝顔のやうな口を開きて (087:朝)  林口僥子


(11月26日選)

2003/09/18 (THU)
▲Top

久哲さん
68番目に完走された久哲さんの100首より。

目の下に付箋紙貼って泣くマネをしている君は風邪をひかない (018:泣く)

誘惑よ走れ学級委員長もついうっかりと踏み貫く夏へ (034:誘惑)

暗闇を凝縮させたひまわりの黄色を明日に鏤めてやる (038:明日)

敵なんていないとおもうみずうみはどんなりくでもゆるしています (051:敵)

駅前のブロック塀の落書きの「天下無てき」のひらがなのてき (077:落書き)  久哲


(11月26日選)

2003/09/17 (WED)
▲Top

岡村知昭さん
67番目に完走された岡村知昭さんの100首より。

絶対に帰ってこない船を待つ桜の下の森繁久弥 (029:森)

だんまりを決めこむ父は真剣にグラスの麦茶だけを見ており (054:麦茶)

たぶんそうそうなのだろうわたくしは月光よりも役に立たない (058:たぶん)

ワタクシを壊してくれる大雨をコインランドリーで待っております (069:コイン)

あしたから冬であります予言者がいちばん苦手な冬であります (083:予言)  岡村知昭



5首目、曳かれた歌ではあるけれど、「冬」という季節が最良だったかは大いに疑問。
「冬」という語が象徴する「冬」的なイメージというのは、
人々の不幸や時代の混沌をことさら大きな声で語って不安感を煽り、
お金もうけをする予言者にとって、最も好むところのものなのでは。
やはり「春」でなければ、この歌はだめだろう。

(11月26日選&5首目のみコメント)

2003/09/16 (TUE)
▲Top

コメットさん
66番目に完走されたコメットさんの100首より。

照明を消すときにふとさがし見る新入社員の日の我の席 (007:ふと)

弱い者いじめと胸を痛めつつ泣く泣く旧知の業者を見捨てる (018:泣く)

素直には受け止められぬ第一線退けとエイプリルフ−ルの辞令 (022:素)

乗り換えのホ−ムを違え不本意の終着駅で途方に暮れる (035:駅)

先行きの見えぬ不景気明日もまた社屋を覆う梅雨前線 (038:明日)

闇くもに走る時代を超えてきてつい早口になる業務指示 (040:走る)

こころ病む管理者の群か研修はサナトリウムの静寂に満つ (053:サナトリウム)

反論を口に出せずにノック式シャ−プペン頻りに押し続けている (081:ノック)

お歳暮は石鹸ばかり手も腹もそれほど汚れていると思えぬ (096:石鹸)  コメット


(11月26日選)

2003/09/15 (MON)
▲Top

寒雨さん
65番目に完走された寒雨さんの100首より。

児をもちて額寄せ合い眠るときはじめて死へのおそれ芽生える (048:死)

緑たつ木立ち広がる野の中に膨れ上がれり熱気球立つ (056:野)

夢と悔い過去と未来を謳いあげオカリナ握る宗次郎かな (059:夢)

鼻の穴おおきく笑うニパッとね僕にそっくりボクのあかちゃん (066:僕)

年代の車あちこち傷だらけ我もおなじよ生きた証か (098:傷)  寒雨


(11月25日選歌)

2003/09/14 (SUN)
▲Top

萩原留衣さん
64番目に完走された萩原留衣さんの100首より。

だとしても未来は私の中にある口先なんか突破してやる (012:突破)

雲だったときに眺めた風景の雨の記憶をためている木々 (017:雲)

この星の夜明けの歌を聴くために組み立てていく鉱石ラジオ (032:星)

わたくしは土になります君はさあ光を浴びて咲いてください (065:光)

円形の星座はあまりないんだね林檎座だとか玉子座だとか (084:円)  萩原留衣


(11月25日選)

2003/09/13 (SAT)
▲Top

岩崎一恵さん
63番目に完走された岩崎一恵さんの100首より。

ゆっくりと指をほどいてたんぽぽの綿毛とびたつようなさよなら (003:さよなら)

ざあざあとコップに水を溢れさす 足りないって言ってごらんよ (008:足りる)

晩秋のサナトリウムにそれぞれの肺を燃やしてうたう讃美歌 (053:サナトリウム)

終バスの後部座席にひとりきり宛名の滲んだ手紙のように (072:席)

<明日ほろぶ世界>という設定のもと日の暮れるまできみとままごと (082:ほろぶ)  

食卓に卵を置けばかなしみは楕円の影となりてひろがる (084:円)  岩崎一恵


(11月25日選)

2003/09/12 (FRI)
▲Top

丸山進さん
62番目に完走された丸山進さんの100首より。

自販機の釦に愛と書いてある今年の夏は有事の予感 (013:愛)

サボテンの棘はもともと葉ですから武装解除の対象外だ (015:葉)

朝市の野菜売り場で笑ってる有機栽培されたおばさん (041:場)

雨上がり死期を迎えた野良猫が虹の根元に集まっている (056:野)

象の目に入りたいくらい好きなので象牙の箸を使っています (088:象)  丸山進


(11月25日選)

2003/09/11 (THU)
▲Top

高澤志帆さん
61番目に完走された高澤志帆さんの100首より。

音のなき雷ひかる弓道場クセをなほせと弓うちおこす (042:クセ)

耳よせる竹筒に沿ひ聴こえくる水琴窟は前世のおと (047:沿う)

ホールデン・コールフィールドのねむりたるサナトリウムへやさしいあめを (053:サナトリウム)

化粧坂をなすびの馬がのぼりゆく夏のくらがりひとをかくしぬ (067:化粧)

秋の夜の恋しさに読む遺歌集は『人間は秋に生まれた』といふ (093:恋)  高澤志帆


(11月24日選) 

2003/09/10 (WED)
▲Top

芦田美香さん
60番目に完走された芦田美香さんの100首より。

疚しさを隠しきれずにうす闇の厨に空の段ボール箱あり (014:段ボール)

「妻」と「罪」同じ語源であるという気がしてならず生むものとして (026:妻)

文章で母を幾度も殺せしとラジオの斎藤茂太笑いおり(044:殺す)

読みさしの手紙を膝にそっと置くいつも正しい言葉は重い (055:置く)

落書きも夢も寝言も失言も解釈されて痴呆の祖母は (077:落書き)  芦田美香


(11月24日選)

2003/09/09 (TUE)
▲Top

大石俊弘さん
59番目に完走された大石俊弘さんの100首より。

猫のやうな目をした女ゐて春の雨降り続く午後のベランダ (031:猫)

若き日にはなかりし贅肉つけ過ごす我に春雷とどろきてゆく (039:贅肉)

その場だけしのぐといふことは体質にあはずにひとり浮いている自分 (041:場)

寄り添いて浴衣の帯をつかまえて歩きし妻よお祭りの夜 (047:沿う)

夭折の母に手引かれ暑き道越して涼しき野の風の記憶 (056:野)  大石俊弘


(11月24日選)

3首目、「浮いている」→「浮いてゐる」
4首目、「寄り添いて」→「寄り添ひて」、「つかまえて」→「つかまへて」

2003/09/08 (MON)
▲Top

キタダヒロヒコさん
58番目に完走されたキタダヒロヒコさんの100首より。

ぎつしりと羽毛のやうな「ふと」詰めて日々の瑣末を着膨れてゐつ (007:ふと)

森深くそのくらがりの中にゐて己が裸形をいとしむ一樹 (029:森)

森深く小径を沿うて本殿にぐい、ぐい、ぐい、と押しこむ御輿! (047:沿う)

ゆるされてゐるのはたぶんこのわたし 生徒等の目のふかき海色 (058:たぶん)

星座のやうに街に散らばるkey思ひコインロッカーで眠つた、みんな (069:コイン)  キタダヒロヒコ


(11月23日選)

2003/09/07 (SUN)
▲Top

高見里香さん
57番目に完走された高見里香さんの100首より。

日常と呼べばざらつく木曜日眠った子どもの靴を脱がせる (004:木曜)

贅肉も胸の一部と寄せたるはゴムベラみたいな販売員の手 (039:贅肉)

僕って呼んであげるよ立ったり縮んだり不思議だからね (066:僕)

跳ぶたびに吸い込まれそうで怖かったとらんぽりんのふかみどりいろ (086:とらんぽりん)

「象の鼻のように素敵だったけど最後は尻尾になってしまった。」 (088:象)  高見里香


(11月23日選)

2003/09/06 (SAT)
▲Top

大野景子さん
56番目に完走された大野景子さんの100首より。

生きてゐることも忘れし生き古りし母はいつより闇に紛るる (027:忘れる)

濁川底暗々と流れをり無音の嵩の明日ランボー忌 (038:明日)

こおろぎの細々と鳴き身に沿へる孤独なす影徐々に剥がれぬ (047:沿う)

置かれたる庭石の上しぐれをり疎遠のひとのふと馨しき (055:置く)

民族の苦しみの嵩負ふごときアフリカ象は闇に消へゆく (088:象)  大野景子


(11月23日選)

3首目、「こおろぎ」→「こほろぎ」
5首目、「消へゆく」→「消えゆく」

2003/09/05 (FRI)
▲Top

みうらしんじさん
55番目に完走されたみうらしんじさんの100首より。

永遠に五月の日々を生きたなら寺山修司に逢えるだろうか (001:月)

美しい言葉について話してる文章の中に誤字脱字あり (015:葉)

ああ! ぼくはことばの森を彷徨って一本の樹になろうとしてる (029:森)

僕(しもべ)にはならないぼくはぼくという一人称をひらがなで書く (066:僕)

わたくしは人にやさしくなるために傷ついてきたわけじゃないんだ (098:傷)  みうらしんじ


(11月22日選)

2003/09/04 (THU)
▲Top

浦奈保美さん
54番目に完走された浦奈保美さんの100首より。

建築家Mの舌足らずな唇が
叉首、手斧梁、切妻、嵌め殺し
など言う弥生の夜であった

凄惨な言葉はいつも透明で動かぬ窓から都市を見ている (021:窓)


居酒屋で
オジサンに聞いた
悲しいお語

がらんどうの胃の中にいま落ちてゆく焼酎あつい涙と思え (045:がらんどう)


原爆忌
終戦記念日
盂蘭盆会

ああ夏が近づいてくる厳然と無言のままの死を引きつれて (048:死)


夜更けのコンビニ
忘れられた季節の
やさしい水

いまは空洞となりたる麦茶の紙の箱にこんこんと満ちる夏の空あり (054:麦茶)


海、山、祖父母の影が
いつも雲の
むこうに遠く

奪われたふるさとはいつも雨でありあえぐ赤子の声をけぶらす (060:奪う)  浦奈保美


(11月22日選)

2003/09/03 (WED)
▲Top

AQさん
53番目に完走されたAQさんの100首より。

一塊の焔とかしてなほ残る雄の輪郭雌の輪郭 (002:輪)

岩肌を砥ぎ疾く走る清流の終に地を裂く天よりの滝 (040:走る)

割鍋に過ぎし閉蓋なき今日のコンビニ弁当野菜が足りぬ (043:鍋)

テーブルに広げ置きたる朝刊のそのままにある深夜の帰宅 (055:置く)

降立てば君に似し人探る駅三十年を経たるおろかさ (068:似る)  AQ


(11月21日選)

2003/09/02 (TUE)
▲Top

久慈八幡さん
52番目に完走された久慈八幡さんの100首より。

新宿の居酒屋で聞いたカラオケは「そして僕は途方にくれる」で、、、。 (066:僕)

裏表運命かけて投げ上げたコインは静かに・・・・立った。どうしよう?? (069:コイン)

3という円周率は14のセンスを捨てたバーゲンの品 (084:円)

支えなどないが直立不動にて東海林太郎が歌う昭和史 (097:支)

シルエットが錨に見える実物はさかさかさ(逆さ傘)さ ささごらんあれ (099:かさかさ)  久慈八幡


(11月19日選)

2003/09/01 (MON)
▲Top

Writer: 伊波虎英(旧・神崎ハルミ)